赤松健、今年の漫画業界をゲーム業界のように「有名作品だけが売れる状態」に近づくと予想
赤松健先生が、またも「出版・漫画業界の展望」を日記帳で語っています。
■赤松健先生の日記帳 (2010年1月9日)
1月9日
さて、2010年のマンガ界ですが、ゲーム業界のように「有名作品だけが 売れる状態」に近づくと予想しています。 まず、これまでの経緯ですが、2007年までは「マンガ雑誌の売上は減少 を続けているが、マンガ単行本の売上は何とか横ばい」という状況でした。 しかし2008年から「単行本も減り始めた(-4.9%)」と言われています。 (2009年の数字は出ていませんが、更に下がっている可能性があります) 単行本の売り上げが減った理由は、まあ不況のあおりとか、エンターテイメ ントの多様化とか、そういった一般的な理由もあるでしょう。 しかし、マンガ作品自体は、TVドラマ・映画・アニメ等の原作としても、 また単体の商品としても、その存在感はまだ健在であります。売れる単行本 は驚くほど売れているのです。 では、それ以外の単行本が、徐々に売れなくなったということでしょうか。 ・・・そう言えば、思い当たるふしがあります。雑誌自身が持つ、マンガの 「広告効果」の件です。 メジャー誌を例にとると、 ・雑誌を買う → お目当ての漫画以外の作品も知るきっかけになる という波及効果が、昔はありました。 しかし雑誌が売れなくなると、その効果が徐々に下がってきます。 つまり、他の漫画を知るきっかけが少なくなり、しばらくして「メジャー誌 に載っているのにマイナーな作品群」が形成されてくるのです。 このため、「有名な作品の単行本は売れ続けるが、そうでない作品の単行本 は一律に下がっていくのではないか」という予想ができるわけです。 (主に知名度不足のため。面白さとかは関係ない。また、マイナー誌や エロではこの限りではない。) 聞くところによると、ゲーム業界は「面白ければ売れる」時代を経て、 「面白いのに売れない」ケースで苦悩しているとのこと。 知名度のある作品はやっぱり売れているようで、マンガ業界もそのような 感じに近づいていくのではないでしょうか。 もちろん、新人には非常に不利な状況となります。
思わず納得してしまう内容。でも「有名作品だけが売れる状態」は決して漫画出版業界、そしてファンにとってもハッピーでは無い状況。なんとか打開できないものですかねぇ。
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