まずは水樹奈々さん、『PHANTOM MINDS
』でのオリコン週間ランキング1位おめでとうございます! 11年前にデビュー(※その頃の写真)して、ようやくつかんだ紅白出場、それに続くオリコン1位! いやあ、努力し続けた人が成功する様は見ていて励まされます。本当によかった!
とは言いつつ、今回の「水樹奈々さんの声優史上初のオリコン週間シングルランキング首位獲得」って、それほど大した偉業じゃないと言うモヤモヤした気持ちがあります。そこで、様々なデータを示して「今回の水樹奈々声優史上初のオリコン週間シングルランキング首位獲得は本当に偉業なのか?」を検証したいと思います。
水樹奈々さんの『PHANTOM MINDS』の初動売上=5.4万枚と他の週の1位の初動売上を比較すると…
2009/12/14付けの1位は小難しくなってキャッチーなメッセージ性もなくなったせいですっかりマイナーになってしまった椎名林檎のバンドの楽曲。他の週との枚数を比較してもらえば分かりますが、対抗馬が居ないお陰の「たなぼた1位」ってヤツです。「飛ぶ鳥を落とす勢い」だと思っていた水樹さんですが、超落ち目で世間から忘れられた椎名林檎くらいにしか勝てないとは。はぁ、過去のオリコン週間順位なんか見るんじゃなかった…。
言いたくは無いですが今回の水樹奈々のオリコン週間シングル1位は対抗馬が居なかったせいで、単なる偶然の産物と言えそうです。
前々作の『深愛
』は
初動売上は約4.3万枚。そして、累計売上が約6.0万枚。とすると、今回オリコン1位になった『PHANTOM MINDS』は初動売上は5.4万枚とすると、『PHANTOM MINDS』の予想累計売上は…
ということで「約7.5万枚」となります。
1年ちょっと前(2008/10/1発売)にオリコン2位になった水樹奈々さんの『Trickster
』の推定売上が8.2万枚なので、実は今回の方が1万枚売上減と言う事に。紅白にも出演して認知度も上がったのに売上減とは意外ですね。
『PHANTOM MINDS』の予想累計売上は7.5万枚。それと過去のシングル売上を比べてみると…
松本梨香 めざせポケモンマスター 1127760枚 7位 56回 1997/6/28 TWO-MIX RHYTHM EMOTION 353270枚 8位 21回 1995/11/22 林原めぐみ・奥井雅美 Give a reason 232850枚 9位 13回 1996/4/24 平野綾,茅原実里,後藤邑子 ハレ晴レユカイ 123740枚 5位 87回 2006/5/10 FictionJunction YUUKA 暁の車 109777枚 10位 45回 2004/9/22 坂本真綾 トライアングラー 91539枚 3位 26回 2008/4/23 氷上恭子&宮村優子 未来形アイドル 87980枚 26位 4回 1996/5/22 水樹奈々 Trickster 82297枚 2位 19回 2008/10/1 平野綾 冒険でしょでしょ? 64699枚 10位 27回 2006/4/26 (以下略)
CDが売れなくなっている時代なので、過去のCD売上とそのまま比較するのは乱暴な気もします。でも、9万枚以上売り上げている坂本真綾の『トライアングラー
』の発売日は2008/4/23ですし、それに比べると「水樹さんの『PHANTOM MINDS』の予想累計売上=7.5万枚」は見劣りしてしまいますね。
声優界初のオリコン首位は、確かにビッグニュースです。でもオリコンなんてタダのデータ。そんなもので水樹奈々さんの本質を語るのはそもそも無理なんですよw
水樹さんの偉業は、「アニメソングや声優の歌の凄さをNHKに、更にはテレビ業界に周知させた」という事だと思います。NHKの「MUSIC JAPAN」への出演自体も凄い事です。それだけでは無く既に2回も放映されたMUSIC JAPAN アニソンスペシャルだって、彼女が居なければそもそも成立していない企画です。更には紅白歌合戦への声優として、またアニメソング歌手としての初めての出場。そして、他の歌手に負けない視聴率を残した事(参考:水樹奈々の紅白歌合戦の視聴率は38.7%)。水樹奈々の真の偉業はNHKのアニメやアニメソング、声優の歌に関する考え方に大きな変革を起こし、他のテレビ局にも衝撃を与えた事といえるでしょう。
だから、水樹奈々の偉業を語る上でオリコンの順位やCD売上枚数を過度に気にするのは、ナンセンスだと思います。数字に振り回されすぎると、本質を見失っちゃいますよ。